朝日岳方面遭難対策協議会

下の廊下

2009-08-24

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S字峡

8月22日(土)~23日(日)の日程で、お隣の宇奈月方面遭対協のメインエリア、下の廊下の視察に朝日岳方面遭対協の山岳救助隊員4名で行ってきました。

日程短縮のため、関係各方面のご協力を得て、一般登山客は利用できない関西電力黒部専用鉄道の上部軌道を使って仙人ダムまで一気に入ることが出来ました。

仙人ダムから十字峡まで旧日電歩道を往復した後、仙人ダムよりさらに下流の阿曽原温泉小屋に宿泊、翌日水平歩道を欅平まで下山するという日程です。十字峡より上部は残雪が残り、ルート未整備につき今の時点では通行不能ということになっています。

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旧日電歩道を行く

仙人ダムよりしばらくは右岸の車道を進みます。車道が尽きたところで黒部川本流にかかる吊り橋を渡り、急な道を一登りするといよいよ旧日電歩道の始まりです。岩壁の岩を穿って作られた道は細く、絶対に道を外せない険しいところです。途中、S字峡や半月峡などの名所を眼下に望みながら先へ進みます。

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十字峡

やがて劒沢にかかる吊り橋に到着すると、そこが有名な十字峡と呼ばれる地点です。黒部川本流に対して、劒沢と棒小屋沢が同じ地点で合流しているために、川が十文字になって見えるところです。記念撮影をして往路を戻ります。

仙人ダムまで戻り、さらに下流にある今夜の宿泊地、阿曽原温泉小屋へ向かいます。阿曽原小屋は元富山県警山岳警備隊にして、宇奈月方面遭対協の主要メンバーである佐々木泉氏が経営する山小屋です。夜は大いに語り合い、懇親を深めることが出来ました。

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阿曽原温泉小屋

翌日は、水平歩道を通って、欅平まで戻る行程です。水平歩道は旧日電歩道よりもさらに川原から高い位置にあり、やはり岩を穿った細い道です。高いところでは数百メートルもあり、高所恐怖症の人にとってはかなり恐ろしいところです。

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大太鼓付近

昼過ぎに欅平に無事到着して、今回の視察は終了しました。

最後になりましたが、ご協力いただいた関係各方面には深く感謝の意を表したいと思います。