三県山岳遭難防止対策連絡会議
2007-11-15
11月13日(火)に富山県黒部市宇奈月温泉の宇奈月国際会館において、長野・岐阜・富山三県山岳遭難防止対策連絡会議が行われ、朝日岳方面遭難対策協議会からも隊長、事務局以下数人が参加しました。
開会の挨拶、来賓の挨拶などの後、各地の遭対協から山岳遭難の発生状況や救助活動などについての報告がありました。それによれば、遭難が多かった一昨年ほどではないにしても、今年の遭難発生状況は例年よりもやや多めかなという印象でした。
近年は中高年者の遭難が多いのですが、とりわけ最近は、山の中での発病者が多く、これもまた中高年登山者の増加と無縁ではないと思われます。
会議のあとは、場所をかえて恒例の懇親会。各地の隊員の生の声を聴くことが出来、大変有意義なひと時でした。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/11/p20071115a.html
初ジャンピング
2007-10-29

打谷での登攀訓練
2007年の秋の訓練初日は、小川支流打谷での登攀訓練でした。打谷の最初の 40m 大滝に固定ロープを張り、その固定ロープにアッセンダーをセットする形で確保を行い、人工登攀の練習を行いました。
私は、初めてジャンピングを行ったのですが、欲張って高すぎる位置でそれを行ったためにかなり腕が疲れました。私はアイスハンマーを用いていたためにロックハンマーに比べて重量が少ないためもあってか、手数は多くても1回の打撃が小さくかなり時間がかかってしまいました。回数を減らしても1回の打撃が大きくなるような叩き方をした方が、より早くジャンピングが行えるようです。
エイリアン等のカム類なども試してみたかったのですが、私の担当場所(?)にはうまく決まる場所がなく残念ながら試すことが出来ませんでした。

登攀中の谷口隊員
雨の中の沢での訓練だったわけですが、訓練中にもどんどん水が増え、固定ロープを回収する頃には、滝の水もかなり増えて迫力満点でした。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/10/p20071029a.html
朝日岳日帰り
2007-10-09

ナナカマドの紅葉@夕日ヶ原
朝日小屋の小屋閉めの手伝いに行きたかったのですが、所用のために行けなかったので、トレーニングがてら日帰りで行って来ました。
自宅を4時に出て、北又小屋に5時に到着。あたりはまだ真っ暗で、雨もざんざん降っていました。土砂降りの中ヘッドランプをつけて歩く気にもならず車の中で一眠り。
6時になったら、北又小屋の灯りがついたので小屋へ。小屋番の米澤さんとお茶を飲みまったり。雨がひどくこの時点では、かなり行く気がなくなっていました。まもなく1泊2日で上がる予定の知人のチームが到着。1泊2日の人たちはやる気満々で、私もどうしようか悩む。意を決して行くことに。
午前7時、雨の中出発。10分ほど先行していたチームをじきに抜いて、もくもくと進みます。1時間半ほどで5合目に到着。ゼリー飲料を飲むのに、ザックをおろしましたが、腰はおろさずにそのまますぐに出発。6合目を過ぎた辺りで前日から登っていた人たちが降りてくるのとすれ違い始めました。10合目の恵振山山頂も止まらずにそのまま通過。恵振山を過ぎて鎖場の下辺りですれ違った知人のチームを最後にすれ違う人はいなくなりました。
夕日ヶ原を過ぎたあたりでは、風雨ともにひどく止まって休む気にもならずそのまま歩きつづけ、10時55分に朝日小屋到着。3時間55分で朝日小屋まで辿り付きました。
合羽を脱いで、小屋の中に入ると知人が宴会中。いきなり劇辛焼酎を勧められます。:p)
昼食をみんなで頂き、一眠りした後、13時45分に小屋を後にしました。依然雨が降っています。それでも、登りのときよりも小降りになっているようで、行きに川のようになっていた登山道もだいぶ減水していました。30分ほど先に下山したチームに追いつこうと歩きますが、足場が悪いのであまりスピードが上がりません。追いつくのはあきらめてぼちぼち下ります。
やはり雨の中休む気にならず、5合目で1度、5分ほど休んだだけで下まで一気に下りました。16時30分に北又小屋に到着。
北又小屋で熱いお茶を頂き無事終了。写真は天気が悪くて撮る気にならず、夕日ヶ原で1枚撮っただけです。
この数日後、朝日小屋は小屋閉めを迎え、来年の6月まで営業を休止します。避難小屋ではありませんので、冬季間の利用はできませんので、冬季の登られる方はそのつもりで。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/10/p20071009a.html
照葉の池
2007-08-07

照葉の池より白馬岳を望む
8月5日に照葉の池までパトロールに行って来ました。照葉の池周辺の登山道は、木道が古くなり傾いていたり、腐っていたりしていたのですが、環境省の予算がついたのか、現在新しい木道への付け替え工事が行われています。
すでに、池の吹上げのコル側の木道などはおおむね完成しているようでした。

照葉の池手前の木道
どの山域でも木道が滑って、転んで怪我をするというケースが多いのですが、こうやって定期的に木道が更新されれば、事故も減るかもしれませんね。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/08/p20070807a.html
ヘリによる救助講習会
2007-07-01

金山式ハーネスの装着
6月30日に、県警航空隊の高橋さんを講師に招いて、役場にてヘリによる救助講習会が行われました。以下簡単ですが、メモったこと。
ヘリへの連絡事項
- 山域、山名、地名などを伝える
- ヘリの搭乗員が遭難者、救助者を判別しやすくするために服装の特徴などを伝える
- 事故の概要、遭難者の怪我の状態や意識レベルなどを伝える
- 現場の気象状況(視界の有無、風向風速など)を伝える
- 現場の広さ、障害物の有無を伝える
ヘリ到着前に
- 飛散物の除去
- 可能であれば吹流しをヘリ着陸予定地の風上に設置(ビニールヒモ、バンダナ等で代用も可)
- 関係者以外ヘリに近づかないよう周辺の登山者に注意喚起すると同時に、近寄る人がいないか見張りを立てる
ヘリの誘導
- 着陸予定地の風上側、操縦者から見える位置に立って誘導する
- 強風時や乱気流がある場合は、誘導よりも自身の安全を優先する
ヘリへの遭難者の収容
- ヘリに近寄る場合は、操縦者から見える位置から
- ヘリコプターの後部には絶対に近づかない
- 現場が斜面の場合は、片足着陸のときがあるが、ヘリの山側斜面はメインローターが地面に極めて近いので上から近づかない
ホイストによる吊り上げ
- ホイストのフックは、いきなり手で掴まずにいったん地面に接地させてから掴むとよい(静電気で感電する場合がある)
- 現場に着陸不可能な場合は、ホイストによる吊り上げを行うが、遭難者に意識がない場合や、肋骨骨折している場合はサバイバースリングを使用しない。金山式ハーネスなどを使用。
nyama
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/07/p20070701a.html
6月23、24日頃の朝日岳の状況
2007-06-27

恵振山9合目の様子
6月23、24日に朝日岳の山開き登山会に行ってきたので、その際の状況などを。
8合目からは下は、問題になるような残雪もなくなっています。巷で言われているように、標高の低い場所では今年の雪解けは早いようです。9号目上の雪渓も例年よりも雪が少なめです。

夕日ヶ原の残雪状況
夕日ヶ原も例年よりやや少ない残雪状況ですが、いまだ登山道はほとんど露出していません。視界不良時は道迷いの危険性が高いので、十分な注意が必要です。ベンガラによるマーキングが施してありますので、見失わないようにしましょう。

朝日岳へ向かう頂上道より朝日平を望む
朝日小屋を過ぎて頂上へ向かう登山道へ入ると、例年よりも雪が少ないということはなく、残雪の状況は例年と変わりありません。急な斜面もありますので、通行には十分注意しましょう。
水平道は残雪が多く、まだ未整備で通行止めです。マーキングなど全くありませんので、入り込まないようにしましょう。
nyama
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/06/p20070627a.html
白馬岳方面の残雪状況
2007-05-30
昨日、白馬山荘の副支配人と話す機会があったので、白馬岳方面の残雪状況について訊いてみました。
それによれば、白馬尻辺りは少ないが、葱平あたりより上は例年よりも多い状況で、そのことから下部は少ないが上部は多いといえそうです。
もっとも梅雨時の雨の降り具合で残雪の状況はかなり変わると思われますが……。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/05/p20070530a.html
白馬方面山スキー
2007-05-04

杓子尾根下部よりジャンクションピークを望む
2007年5月4日から5日にかけて、猿倉台地をベースに M口隊員他3名と猿倉台地をベースに山スキーに行って来ました。その際に感じた今年の残雪状況について書いてみましょう。
二股より猿倉までの林道は連休に合わせて開通したようで、猿倉まで車で問題なく入れました。驚いたのは猿倉に至る林道の脇には残雪が全くといっていいほど見られなかったことです。その割に猿倉から白馬尻に至る林道はスキーで滑走することが十分なほど残雪がありました。実際に山へ入っても寡雪といわれる今年ですが、例年と比べて極端に雪が少ないということもないようです。
このことから、今年は標高の低いところは雪はないもののある程度の高さ以上のところは例年と比べてもさほど残雪の量は少ないこともないという事です。
朝日岳方面では、例年夏山シーズンに入ったばかりの頃はかなりの残雪があるのですが、今年はどうなるんでしょうねぇ。梅雨時の雨の量などにも左右されると思いますが、今後の推移を見守りたいところです。
この記事の URL : http://asahi.sounan.org/patrol/2007/05/p20070504a.html